プレスリリース

ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

平成22年9月1日

親水性*1シリカ系コーティング液を開発

―ガラス接触角 水3.5度を達成―

  株式会社KRI(本社:京都市下京区、社長:成宮 明)は、耐候性*2に優れた多機能な親水化剤として、超親水性を有するシリカ系コーティング液を開発しました。

[背景]
  従来より、耐候性の高い無機系の親水化剤としてシリカ系親水化剤、チタニア系親水化剤が開発されています。
  そのシリカ系親水化剤の親水性を発現する官能基として、シラノール基が挙げられますが、親水性の点から更なる改良が求められています。一方、チタニア系親水化剤の場合には光が必要であり、光の当たらない暗所では親水性を発揮しません。
  また、光を必要としない親水化剤として、親水性アクリルモノマーを架橋剤と反応させた有機系の親水化剤がありますが、耐候性の観点からは無機系には敵いません。

[本技術の特徴]
  KRIでは、分子設計技術、有機合成技術やゾルゲル技術*3等を保有しており、これらの技術をもとに、シリカ系をベースとした従来より親水性の高い親水化剤の開発に取り組み、超親水性を有するコーティング液の開発に成功しました。
  本技術の特長は次の通りです。

  1. 親水性能を発揮する成分として、シラノール基より親水性の高い官能基を導入しコーティング膜の親水性を向上させることに成功し、防曇性を発現できました。本コーティング液は光がなくても親水性能が持続するため、暗所での使用が可能です。

        ガラスに対しての接触角 水3.5度

  2. 基板と汚れのすき間に水が入り込みやすいため、油性マジック、口紅や指紋などの油汚れは水をかけるだけで自然に浮き上がり、除去が容易です。
  3. ガラス基板と強固に結合(共有結合)しているため、擦過刺激を与えても親水性能の低下が殆どありません。
  4. 帯電防止性能を有し、静電気及び埃の付着も防止できます。
  5. 親水性基の構造を変えることにより、親水性とともに抗菌性も付与可能です。

  本技術を用いると、種々の機能性を併せ持つ親水化剤が製造可能となります。さらに、上記3)の性質及び親水化剤の構成成分が殆ど無機材料であることから、親水性機能が持続し、耐久性を持たせることが可能です。

  親水化剤の用途例として、次のものが挙げられます。

  • 自動車用親水コーティング剤(ウインドー、ミラー及びボディーなど)
  • メガネ及びレンズ用防曇コーティング剤
  • ミラー用防曇コーティング剤
  • タッチパネル、ミラー及び窓ガラスなどの耐指紋コーティング剤
  • 厨房、洗面台流し及び便器などの防汚・抗菌コーティング剤
  • 住宅外壁、タイル及びトンネル内照明灯カバーなどの防汚コーティング剤
  • 太陽光発電パネルの防汚コーティング剤など

[今後の展開]
  今後は、用途に応じた分子設計およびコーティング方法の最適化、ガラス以外の基板(プラスチック基板、プラスチックフィルム及び金属基板など)への適用、コーティング膜の硬化方法の検討やコーティング剤の工業的製造方法の検討などに取り組み、塗料・コーティング剤メーカーなどのご要望に応じた実用化開発研究を進めていく予定です。

本件に関するお問い合せは下記までお願いいたします。
【技術に関するお問合せ先】
株式会社  KRI

新機能性材料研究部 部長  佐藤

TEL:075-322-6832
【プレスリリースに関するお問合せ先】
株式会社  KRI     経営企画部   藤原

TEL:075−315−9242

[関連リンク]
新規シリカ系親水化剤

<用語解説>

親水性*1

ある物質が水との間で相互作用しあい、水との親和力が強い性質を持つこと。
耐候性*2

プラスチックや塗料などが、屋外で使用された場合に変形、変色、劣化等の変質を起こしにくい性質。太陽光からの紫外線、赤外線などの熱の影響、雨水などによる加水分解や浸食作用、昼夜の温度変化による材料の伸縮・膨張の影響などが考えられる。
ゾルゲル技術*3

溶液から出発し、溶液→ゾル→ゲルの変化に基づいて材料を合成する低温合成技術。
さまざまな微細構造、形態、機能をもった材料の合成に応用可能な技術。
ページトップへ

得意技術領域